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・グーグル八分とは何か 悪マニ管理人Beyond の書いた、渾身の一冊 ・ニューウエイズ、ナチュラリープラス商品・商法への疑問 ・Q&A 宗教トラブル110番―しのびよるカルト ・インターネット犯罪大全 ― 決定版 |
◇-くらしの消費者判例ツリー(仮称)-かーくん(12/22-04:02)No.77433 ├お約束から。-かーくん(12/22-04:11)No.77434 │└間違えちゃった(^^;)-拙電器(12/24-02:47)No.77576 ├最高裁昭和60年12月12日第1章法廷決定-かーくん(12/22-04:46)No.77436 │└おっと-かーくん(12/22-04:47)No.77437 ├長野地裁昭和52年3月30日判決-かーくん(12/22-05:04)No.77438 ├東京地裁平成5年8月30日判決-かーくん(12/22-05:23)No.77439 │└書面不備のクーリングオフと時効-かーくん(12/22-05:28)No.77440 ├東京高裁平成3年9月30日判決(多分再掲)-かーくん(12/23-18:30)No.77518 │└参考までに関連ログなど。-かーくん(12/23-18:50)No.77521 │ └節電器 節電機 省エネ 電気 削減 アイディック 東洋節電 新日本電工 日本環境サービス 環境電工-拙電器(12/24-02:32)No.77571 │ └■裁判所の判断と解説-拙電器(12/24-02:35)No.77572 ├名古屋地方裁判所平成14年6月14日判決 -拙電器(12/24-02:40)No.77573 │└業務提供誘引販売取引に関する判例-拙電器(12/24-02:42)No.77574 │ ├解説-拙電器(12/24-02:44)No.77575 │ └どこかで聞いたような-みかん(12/26-18:42)No.77788 │ └判決後も取引を続けると「そうかい屋」さんが…-拙電器(12/27-02:54)No.77810 ├昭和60年12月20日茨木簡裁判決-雪兎(12/25-13:25)No.77701 │└Re:昭和60年12月20日茨木簡裁判決-雪兎(12/25-13:28)No.77702 │ └キャッチセールスによる未成年者取消-雪兎(12/25-13:45)No.77703 ├大津地方裁判所平成13年12月7日-「ものつくり屋」(12/26-16:58)No.77783 └東京高等裁判所平成14年12月5日-「ものつくり屋」(12/27-15:41)No.77823
| 77433 | くらしの消費者判例ツリー(仮称) | かーくん | 12/22-04:02 |
寝つきが悪いのと論文が煮詰まってしまったのと、他の理由として
「ものつくり屋」さんにそそのかされたので(笑)、こんなツリー
作ってみました。
のちのち引用されるという恐怖と、判例には著作権が適用されない
というお気楽さを兼ね備えるという恐ろしいツリー、どうなること
やら。
なお、フレッシュな判例、お待ちしております(一部常連の皆様)。
| 77434 | お約束から。 | かーくん | 12/22-04:11 |
記事番号77433へのコメント
まず、いくつか約束事がございますのでこちらを必ずごらん
くださいませ。
1:タイトルはすべて裁判所名および判決日で表示します。
従って豊田商事事件などの著名な事件は、タイトル上では
わかりませんのであしからず。
2:慣例として、原告側をX、被告をYと表記します。が、
有名な事件で一方当事者(被告側でしょうなあ)が判明して
いる場合には、X(=だれそれ)などのように表記する場合も
あります。
3:出典先は、レス本文の最後に表示しますが、これまた慣例で
以下のような特別の表記を行なう書物があります。
百選:消費者取引判例百選(有斐閣)
判時:判例時報
判タ:判例タイムズ
4:国センの「くらしの判例集」に掲載されている場合も、3と
同様の扱いをします。
| 77576 | 間違えちゃった(^^;) | 拙電器 | 12/24-02:47 |
記事番号77434へのコメント
かーくんさん、こんばんは。
>まず、いくつか約束事がございますのでこちらを必ずごらん
>くださいませ。
>
>1:タイトルはすべて裁判所名および判決日で表示します。
>従って豊田商事事件などの著名な事件は、タイトル上では
>わかりませんのであしからず。
>
>2:慣例として、原告側をX、被告をYと表記します。が、
>有名な事件で一方当事者(被告側でしょうなあ)が判明して
>いる場合には、X(=だれそれ)などのように表記する場合も
>あります。
>
>3:出典先は、レス本文の最後に表示しますが、これまた慣例で
>以下のような特別の表記を行なう書物があります。
> 百選:消費者取引判例百選(有斐閣)
> 判時:判例時報
> 判タ:判例タイムズ
>
>4:国センの「くらしの判例集」に掲載されている場合も、3と
>同様の扱いをします。
うーん、節電器の判例、ヒットするように関連名で書いちゃった…
判例期日より、関連タイトルの方がイインでないでしょうか?
(どっちにしろ、こんなの読むのよっぽどの『マニア』だけでしょうが…)
| 77436 | 最高裁昭和60年12月12日第1章法廷決定 | かーくん | 12/22-04:46 |
記事番号77433へのコメント
事実の概要(刑事事件ですのであしからず)
1:Xは、株式会社ジョイフルが運営する「E・Sプログラム」と称する
人工宝石販売のマルチ商法に加盟した後、大阪で昭和54年9月に独立
して株式会社メディックを設立、昭和55年に取締役としてYを責任者に
迎え東京支社を開設、Yら5名と「E・Sプログラム」を運営した。
2:その結果、計863名を加盟させ、合計3億4560万円を入金させ、
上位加入者に配当するという金銭配当組織を運営するにいたった。
3:本件「E・Sプログラム」における人工宝石は、1カラット5000円
ないし15000円程度で仕入れられ、なかには単なるガラス製品もあった。
XYらは、これら人工宝石が一般販売困難なものであると説明し、販売努力を
せずに、専ら40万円を支出して人工宝石5カラットを受領して準販売員の
勧誘に力を入れた。
4:つまり、40万円を支出し準販売員(S会員)になり新たにS会員を
勧誘すると、勧誘したS会員が支出した40万円から10万円を受領しかつ
E会員に昇格、さらに管轄下のS会員が別の会員を勧誘すると、今度は
E会員は20万円、勧誘したS会員は10万円を受領する。また、E会員は
管轄下のS会員がE会員に昇格し新たなS会員を勧誘すると1万円を受領する
というように、自己が支出した40万円を上回る利益をあげることができる、
という巧妙な説得と執拗な説得でS会員の勧誘に努めていた。
5:S会員になった者も、人工宝石は加入証明書程度の認識であり、専ら
新規会員の勧誘で配当を受けることに努めていた。
6:第一審では、当該組織は人工宝石販売を騙った金銭配当組織でありネズミ講
とし、控訴審も同様の判決を示したため、被告人が上告したもの(罪刑法定主義
違反)である。
決定要旨(上告棄却)
本件「E・Sプログラム」が人工宝石の販売に名を借りた金銭配当組織であり、
右組織が(かーくん注:原文は縦書き)無限連鎖講の防止に関する法律2条に
定める要件を満たす金銭配当組織に当たるとした原判断は、正当である。
出典先:百選53事件(108-109ページ)
参照:最高裁判所刑事判例集39巻8号547ページ
判例時報1182号156ページ
| 77437 | おっと | かーくん | 12/22-04:47 |
記事番号77436へのコメント
第一小法廷ですな。
はじめからこれでは、先行きが思いやられますな。
| 77438 | 長野地裁昭和52年3月30日判決 | かーくん | 12/22-05:04 |
記事番号77433へのコメント
事実の概要
1:Yは昭和42年3月、第一相互経済研究所の名称で「親しき友の会」
などというネズミ講を開講した。
2:この会は、1人の親会員が順次4人を勧誘し入会させ、会員になろうと
する者は5代上の先順位会員に対し1000円を、第一相研に対し入会金
1028円を送金し加入するもので、各会員は5代あとの会員1024名
(かーくん注:つまり4の5乗=2の10乗)から各1000円、合計
102万4000円の送金を受け完結するという仕組みであった。ただし、
先順位を何代前にするかは、各会により異なっていた。
3:入会者Xら(計543名)は、公序良俗に反するとして、YX間の
入会契約は無効としてYに送金した入会金の返還を求めたものである。
判決の要旨
(前略)その本質が必然的に限界と行き詰まりが生じるものであり、多数者の
犠牲により少数者およびYが不当に利得するという非生産的で射倖的な性質を
有するものであるにもかかわらず、Yは(中略)労せずして高額の金員を
受けられるかのように期待させて入会せしめ、その結果自己は不当に利益を
えながら、一方で多数の被害者を出し、種々の社会悪と混乱を惹起していると
いうべきであり、従って、前記XらとYとの間の本件各講の入会契約はいずれも
公序良俗に反するものとして民法90条により無効といわざるをえない。
(なお、同時に第一相研が「権利能力なき社団」であるかどうかも争われたが、
判決ではその社団性を否定した。)
出典先:百選50事件(102-103ページ)
参照:判例時報849号33ページ
| 77439 | 東京地裁平成5年8月30日判決 | かーくん | 12/22-05:23 |
記事番号77433へのコメント
事実の概要
1:Y社の従業員Aは、平成4年6月に、X宅を訪問、大手企業の
代理店を騙り、XとYとの間にX所有の建物の外壁サイディング工事を
行なう契約を締結した。
2:ところが、Aの説明は全くの嘘であり、また公布された書面も、
販売価格・役務の対価(一応合計金額は記載)、支払方法、契約担当者の
氏名、商品の商標・製造者、役務の種類、数量(一式としか書いてない)
という不備な書面であった。
3:Xは、書面不備を理由にクーリングオフを要求したが、Yは契約解除は
無効であるとした。
4:Xは、代金の返還と建物の復旧を求め提訴した。
判決の要旨
販売業者又は役務提供事業者が、法の趣旨に反して不公正な取引をし、かつ、
契約の目的たる商品または役務について購入者等が当該商品の製造社名(中略)
やその販売価格または当該役務の対価につき正確な認識を得られないような記載
しかしていない場合には、右書面は、法6条1項1号(かーくん注:旧訪販法)
にいう『第5条(かーくん注:旧訪販法)の書面』に該当せず、同項に基づく
解除の期間は進行しないものと解するのが相当である。
出典先:百選2事件(6−7ページ)
参照:判例タイムス844号252号
| 77440 | 書面不備のクーリングオフと時効 | かーくん | 12/22-05:28 |
記事番号77439へのコメント
これに関連して
仮に書面の再交付がなかったとして、契約解除に関する消滅時効は
商事時効になってしまうので契約締結日から5年になります。
よって、書面不備によるクーリングオフでも、契約締結日から5年が
経過すると時効にひっかかり無効になりますのでご注意を。
参考文献:清水巌「訪販法五条の書面とクーリング・オフ期間」、
『消費者取引判例百選』有斐閣、1995年、7ページ。
| 77518 | 東京高裁平成3年9月30日判決(多分再掲) | かーくん | 12/23-18:30 |
記事番号77433へのコメント
事実の概要
1:身元保証の引き受けを業とし保証証券を発行する会社Y1、
同保証証券を販売する会社Y2、Y1とY2の双方の代表者である
Y3、Y2の総代理店を努めるY4がいた。
2:この身元保証証券のシステムは以下のとおり。
(1)証券を買い受けたものが有効期間内に必要事項を記載した
請求用紙をY1に送る。
(2)すると、Y1から身元保証誓約書が送られた段階で、証券記載の
期間中その額面額の範囲で身元保証の効力が生じる。
(3)総代理店契約においては、資格取得金として120万円を
支払う必要があるが、証券を販売したときは売買金額の45%を、
他人を総代理店として加入させた場合は資格取得金の55%相当の
「指導料」を取得し、さらに自分が勧誘した者が他者を勧誘ないし
他者に対し証券を売った場合は「指導料」あるいは手数料の差額が
間接収入になる、などの仕組みがあった。
3:Xは、昭和60年にY4に勧誘されてY2の総代理店となった。
しかし、保証証券が全く売れず、利益確保のためには他者を勧誘する
ことで「指導料」を受け取るほかはないマルチ商法であり、勧誘方法も
重要事項の不告知や虚偽説明など違法なもので総代理店契約は無効だと
し、Y1〜Y4に対し資格取得金相当の支払いを求めた。
判決の要旨
1:本件商法は、保証証券の販売を基本とするとはいえ、(中略)結局
右「指導料」なるものの実質は、勧誘して本件商法に加盟させたことに
対する報酬(中略)に他ならず、本件商法は一種のマルチ商法であると
いわなければならない。本件商法では販売に当たる総代理店等の数には
上限が定められていたこと等からすると、(中略)一部の者のみが巨額の
利益を得る反面、投資した資格取得金すら回収できない者(被害者)が
多数出ることが構造的に予定ないし予想されている。
2:しかるに、Yらは、(中略)少数の例外的な成功者を実例として掲げて
本件商法への参加を勧誘したものであって、不公正な商法といわなければ
ならない。本件商法には、こうしたその根幹にかかわる重要な事実につき
事実の不告知や虚偽事実の告知があるのに加え、保証証券の有効性が争点で
ない訴訟における和解調書や判決文の自己に都合のよい部分だけを取り
出して宣伝に利用し裁判所を不当に利用して本件証券の権威付けをしようと
するなど、正常の取引とは言いがたい(むしろ、いかがわしい)点がいくつも
見受けられる。
以上の事実を総合すると、本件契約は、仮にその契約書の文言上は無限連鎖
講の防止に関する法律に違反したり訪問販売法の適用を受けないものであった
としても、本件商法の実際、勧誘方法からいって公序良俗違反と判断される。
出典先:百選49事件(100−101ページ)。
参考:判例タイムス787号217ページ
金融・商事判例900号26ページ
| 77521 | 参考までに関連ログなど。 | かーくん | 12/23-18:50 |
記事番号77518へのコメント
過去ログはこちら。
http://archives.a902.net/akutoku/qa/1999/11151.html
http://archives.a902.net/akutoku/qa/1999/12625.html
http://archives.a902.net/akutoku/qa/1998/4181.html
http://archives.a902.net/akutoku/qa/2000/17430.html
http://archives.a902.net/akutoku/qa/1999/9942.html
http://archives.a902.net/akutoku/qa/2001/39100.html
当事者はこちら
http://www2.tky.3web.ne.jp/~aro/zensinkyou/
| 77571 | 節電器 節電機 省エネ 電気 削減 アイディック 東洋節電 新日本電工 日本環境サービス 環境電工 | 拙電器 | 12/24-02:32 |
記事番号77521へのコメント
かーくんさん、こんばんにゃ!
節電器の判例です。
有限会社東野は、メディチ株式会社から節電器を導入することにし、
アジア信販株式会社と上記節電器のリース契約を結び、代表者である東野太郎
はリース支払い義務について連帯保証した。
ただ、東野はリース契約書と物品受領証は節電器の性能を確認してから
リース会社に受け渡すことを約して、借受日を空欄にしてメディチ社に
交付していた。その後、メディチ社から納入された節電器は約束どおりの性能
を有していなかった。そこで、有限会社東野はリース料を支払いをしていなか
った。
ところが、メディチ社は前記約束に反して、節電器の性能を確認未了のまま
無断で契約書と物品受領証をアジア信販に交付してしまい、アジア信販は
連帯保証人の東野に対して未払いのリース料を請求して本件訴訟を起こした。
東野はリース物件である節電器に約束の性能が無いという欠陥(瑕疵)がある
からリースの支払い義務は無いとして争ったが、アジア信販はリース契約には
瑕疵担保責任免責特約があるとしてリース料の支払いを求めた。
| 77572 | ■裁判所の判断と解説 | 拙電器 | 12/24-02:35 |
記事番号77571へのコメント
■裁判所の判断
本件における借受書の交付経過、販売会社とリース会社との提携関係などに
照らし、リース物件に重大な瑕疵ある場合、その瑕疵が修繕されるまで
リース料は支払いを拒みうるとした。
■解説:リース業者にリース物件の欠陥(瑕疵)について責任があるか
-----------------------------------------------------------------------
リース契約は賃貸借契約であるから、貸主であるリース業者には、
借主に対してリース物件を使用収益させる義務があり、したがって
リース物件に欠陥(瑕疵)がある場合にこれを修補する義務がある。
ところが、通常のリース契約には「物件に瑕疵があったときでもリース業者は
その責任を負いません」という、瑕疵担保責任免責の特約がある。
リース契約には、物品購入資金の融資という側面があり、しかも、
リース物件の選定、納入はユーザーと販売業者との間で直接行われて
リース会社はほとんど関与せず、また、リース業者にはリース物件補修等の
能力も無いことから、一般に前記のような瑕疵担保責任免責は有効とされてい
る。
したがって、リース契約に瑕疵担保責任免責特約が定められている場合、
原則として、リース業者には欠陥(瑕疵)について責任はない。
■解説その2:では常にリース会社は瑕疵担保責任免責特約を主張して
リース物件の欠陥に対して責任を負わないか。
------------------------------------------------------------------------
物品を利用するために、その資金の融資を受けるという点でリースと似たもの
にクレジット(信販)がある。これはユーザー自身が物品を購入取得し、
その代金をクレジット会社が販売業者(アイディック)に立替払いし、
ユーザーはクレジット会社にその立替払い金を返済するものである。
そうしたクレジット契約の場合は、クレジット業者が特定の販売業者と提携して
行うクレジット契約の場合、ユーザーは購入した物品の欠陥など販売会社(アイ
ディック)に対して主張できる事由をもって、クレジット業者に対して
分割金の支払いを拒否できるとされている。(割賦販売法30条の4)
近年、リース契約も、リース業者が特定の販売業者と提携し、
その販売業者がリース契約の斡旋をしたりして、消費者にとって、販売業者の販
売員がリース業者の代理人のように見えたり、販売会社との法律関係とリース業
者との法律関係の区別がつきにくかったりする場合が増え、また、販売業者の都
合でリース契約を勧めたり、クレジット契約を勧めたりし、消費者にとって
両者の区別が分かりにくいこともある。
そうした場合、クレジットの場合には物品の欠陥などを理由に立替払い金の返済
を拒否できるのに、リース契約の場合はリース料の支払いが拒否出来ないという
のは不合理である。
そこで、リース契約でも、リース業者の瑕疵担保責任免責特約が有効と認めら
れる理由が「リース会社はほとんど関与せず、また、リース業者にはリース物件
補修等の能力も無い場合のみ」とし、次のように事情がある場合は、
当事者間の公平の観点や信義則から、リース業者の瑕疵担保責任免責特約の主張
をゆるさず、リース業者にも欠陥に対する責任を認め、ユーザーに欠陥(瑕疵)
を理由とするリース料の支払い拒否やリース契約の解除が出来るものとする判決
が現れてきた。本件はそのような裁判の最初のものである。
すなわち、リース業者と販売会社との間に密接な業務提供関係があり、実質
性、経済的な一体性があるとき、また瑕疵が重大で補修等なされなければ
契約の目的が達成出来ない場合は、ユーザーは瑕疵を理由に支払いを拒絶したり
、リース契約を解除したりできるものとされる。
津川博昭一部拙電器編集
判決は盛岡地裁遠野支部昭和63年5月18日判決です。
判例時報1305号109ページ
| 77573 | 名古屋地方裁判所平成14年6月14日判決 | 拙電器 | 12/24-02:40 |
記事番号77433へのコメント
本件は、行政書士の資格を取得すれば顧問契約を結ぶことができるとの説明の
下に、行政書士資格講座の契約をさせたケースについて、特定商取引法の業務
提供誘引販売取引には該当しないとの事業者の主張を退け、業務提供誘引販売
の要件を満たしているとしてクーリング・オフを有効とした事例である。(名
古屋地方裁判所平成14年6月14日判決 確定 福井県消費生活センター提
供)
| 77574 | 業務提供誘引販売取引に関する判例 | 拙電器 | 12/24-02:42 |
記事番号77573へのコメント
事件の概要
X:原告(クレジット会社)
Y:被告(消費者)
A:販売店
Yは、平成13年11月27日、Aとの間でAが教材および答案添削等の学習
指導を提供し、Yが38万2000円を支払うという内容の「行政書士取得講
座」の受講契約を締結した。また、YはXとの間で、本件契約代金の立て替え払
い契約を締結した。
Aは、本件契約を締結するに当たり、「顧問契約」の標題で始まる以下の内容
が記載された文書をYに提示した。「お客様が指導期間内に行政書士試験に合格
されますと、弊社はお客様と新たに顧問行政書士としての契約を締結させていた
だく用意がございます。契約条件は次のとおりです。ご確認のうえ、該当時にお
申し出ください(顧問の業務は行政書士の業務とはもちろん異なりますし、行政
書士業務のあっせんはいたしかねますので、お間違えのないようお願いしま
す)。
イ.弊社が依頼する業務(添削問題のチェック・模擬問題の作成等)を期間内で
処理していただきます。
ロ.基本の契約期間は3ヵ月です。双方に異議がなければ最高1年間まで、更新
いたします。
ハ.弊社がお支払いする報酬は、1年間最高60万円(月額最高5万円)を限度
とし、イの業務の量に応じて月々お支払いたします」。
Yは、本件契約は特定商取引法の業務提供誘引販売取引に該当するとして、書
面交付から20日以内である同年12月15日発信の書面により契約を解除する
旨の意思表示をした。
これに対しXは、
(1)本件契約は「商品又は役務を利用した業務」に該当しない、
(2)仮に合格したとしても、最短でも1年後、万一合格すれば得られるかもし
れないという、極めて不確定な利益が本件契約締結の動機となることはありえな
い、
などと主張して、業務提供誘引販売取引には該当しないから、クーリング・オフ
期間は8日間であり、本件解除は期間経過後のもので効力を生じないとして争っ
た。
理由
業務提供誘引販売取引の要件について検討すると、特定商取引法51条によれ
ば、
(1)「業務提供利益」を収受しうることをもって顧客を誘引し、
(2)「特定負担」を伴う、
(3)「商品の販売もしくはそのあっせん、または役務の提供もしくはそのあっ
せんに係る取引」、
に分説されると解されるところ、本件契約においては、YがAに対して代金支払
債務を負担すること、これに対して、Aは教材や答案添削による学習指導という
役務の提供を行なう債務を負担すると定められていたから、上記(2)、(3)
の各要件を充足することが明らかである。
そこで、(1)の要件の充足性について検討するに、同要件を細説すると、
ア.販売業者が提供ないしあっせんするものにして、
イ.販売の目的たる商品または提供される役務を利用する業務に従事することに
より得られる利益(業務提供利益)を、
ウ.収受しうることをもって誘引する、
ものがこれに該当すると解される。
そして、前記「顧問契約」の文言によれば、アの要件を充足することは明らか
である。
また、Aが提供すべき教材や学習指導の直接の目的は、受講者による行政書士
資格の取得、すなわち行政書士試験の合格であることが明らかである。それゆ
え、その「試験に合格」した場合に「顧問行政書士としての契約を締結」し、
「弊社が依頼する業務(添削問題のチェック・模擬試験の作成等)」の報酬とし
て年間最高60万円が支払われることを宣言している以上、その業務は、行政書
士本来の業務でないとしてもなお、Aが提供する教材や学習指導を「利用した」
業務に当たるし、その報酬は、当該業務に従事することによって得られる利益に
当たるというべきである。
したがって、イおよびウの各要件も充足すると判断するのが相当である。
| 77575 | 解説 | 拙電器 | 12/24-02:44 |
記事番号77574へのコメント
解説
本件は、特定商取引法に定める「業務提供誘引販売取引」に該当するか否かをめ
ぐって争われたケースに関する初めての判決である。
業務提供誘引販売取引は、法律で規制はされたものの、要件が複雑であるため
か、事業者の多くは適用対象ではないとして争い、書面交付義務やクーリング・オ
フ制度を順守しないものが極めて多い実情にある。本件業者も、業務提供誘引販売
取引ではないとして、クーリング・オフ期間は8日であり20日ではないとして争
った。
さらに、本件業者は、
(1)国家資格である行政書士試験に合格した場合に業務を提供するものであり、
試験の合格は業者の作為の入る余地がないので「業務提供」に当たらない、
(2)業務提供については、「用意がある」にすぎず当然提供するわけではないの
で、「業務提供」に該当しない、
と反論した。
(1)については、判決では「Aが提供すべき教材や学習指導の直接の目的は、
受講者による行政書士資格の取得すなわち行政書士試験の合格であるから、これが
国家資格であって販売業者の作為の入る余地がないとしても、あるいはその合格率
が低い(最近10年間の合格率は平均8%弱)としても、その合格を条件としてA
が『顧問行政書士としての契約』を締結し、報酬を支払うことを宣言している以
上、要件の充足の妨げとなるものではない」とした。
(2)については「当該業務に従事するか否かの選択権を顧客が有する点も当然
のことを規定したにすぎないし、『用意がある』の文言も本件の文言全体からは、
当該契約を締結するか否かの選択がAの完全な任意にゆだねられていることを示す
ものではなく、行政書士資格合格者は、業務を遂行できない特段の事情がない限
り、当該契約を締結する機会を与えられるとの趣旨に解されるから、前記判断を覆
すものではない」と判断し、業務提供誘引販売取引に該当するとした。
業務提供誘引販売取引をめぐる事例においては、国家資格の取得を条件として業
務提供を誘引するものや、全員に当然業務を提供することを確約しないという事例
も少なくない。こうしたケースでは事業者は、本件事件の場合のように「業務提
供」の要件を満たしていないと反論することが多い。
本件判決は、こうしたケースであっても、業務提供誘引販売に該当するとの判断
を示したもので、類似の相談処理の参考となる。
出展、国センの「くらしの判例集」
| 77788 | どこかで聞いたような | みかん | 12/26-18:42 |
記事番号77574へのコメント
みかんでございます。
> Aは、本件契約を締結するに当たり、「顧問契約」の標題で始まる以下の内容
>が記載された文書をYに提示した。「お客様が指導期間内に行政書士試験に合格
>されますと、弊社はお客様と新たに顧問行政書士としての契約を締結させていた
>だく用意がございます。契約条件は次のとおりです。ご確認のうえ、該当時にお
>申し出ください(顧問の業務は行政書士の業務とはもちろん異なりますし、行政
>書士業務のあっせんはいたしかねますので、お間違えのないようお願いしま
>す)。
>イ.弊社が依頼する業務(添削問題のチェック・模擬問題の作成等)を期間内で
>処理していただきます。
>ロ.基本の契約期間は3ヵ月です。双方に異議がなければ最高1年間まで、更新
>いたします。
>ハ.弊社がお支払いする報酬は、1年間最高60万円(月額最高5万円)を限度
>とし、イの業務の量に応じて月々お支払いたします」。
私の手元にある、潟sースの「行政書士取得講座・受講内容確認書」の該当部分と一言
一句、同じですね(笑)。もちろん金額も同じです。
どうりでGCがさっさと「いち抜けた」したわけですね。
| 77810 | 判決後も取引を続けると「そうかい屋」さんが… | 拙電器 | 12/27-02:54 |
記事番号77788へのコメント
>みかんさん、始めまして。
>> Aは、本件契約を締結するに当たり、「顧問契約」の標題で始まる以下の内容
>>が記載された文書をYに提示した。「お客様が指導期間内に行政書士試験に合格
>>されますと、弊社はお客様と新たに顧問行政書士としての契約を締結させていた
>>だく用意がございます。契約条件は次のとおりです。ご確認のうえ、該当時にお
>>申し出ください(顧問の業務は行政書士の業務とはもちろん異なりますし、行政
>>書士業務のあっせんはいたしかねますので、お間違えのないようお願いしま
>>す)。
>>イ.弊社が依頼する業務(添削問題のチェック・模擬問題の作成等)を期間内で
>>処理していただきます。
>>ロ.基本の契約期間は3ヵ月です。双方に異議がなければ最高1年間まで、更新
>>いたします。
>>ハ.弊社がお支払いする報酬は、1年間最高60万円(月額最高5万円)を限度
>>とし、イの業務の量に応じて月々お支払いたします」。
>
>私の手元にある、潟sースの「行政書士取得講座・受講内容確認書」の該当部分と一言
>一句、同じですね(笑)。もちろん金額も同じです。
>どうりでGCがさっさと「いち抜けた」したわけですね。
信販会社にとっては「無い職商法」「資格商法」を商う加盟店は
とても「美味しい加盟店」です。
契約件数は突出していますし、一般的に多重債務者でなく企業人や就業意欲の高い専業主
婦などを狙いますから自己破産などの事故率も低く、また完済率も高いです。
悪事がばれて解約となっても、信販会社自身の懐は痛みませんからね(笑)
販売店が存続している限り、「てめ〜でケツ拭きやがれ!嫌なら加盟店取り消すぞ!」
で終わります。
但し、判決等、司法や行政によって処罰されると、
それをネタに「そうかい屋」さんって呼ばれる、どっかの悪徳商法サイトで
胡散臭いHNに似た業界の人が、ワラワラ出てきちゃうの(笑)
「こんな悪徳な販売店を登録していたなんて許せん!営業停止の行政訴訟を起こします」
「悪徳業者が倒産した結果、会社に損害を与えたな。株主総会で問いただします」
雨降ったあとの竹の子みたいにポコポコ出てくるんで、早めに手を打っただけです。
でもまあ、信販会社の中でのGCさんは「一級のサルベージ信販」です。
よそが手を切ったところでも喜んで引き受けます(はあと)
ガンダムをキャンペーンに使うだけに
「あえて言おう、カスである!!」
ところでアイディックはどうすんべ?
来年には「プロジェクトi」を遂行したいんですけど?
| 77701 | 昭和60年12月20日茨木簡裁判決 | 雪兎 | 12/25-13:25 |
記事番号77433へのコメント
事実の概要
昭和58年8月25日、未成年者X(会社員・18歳・女性)が買物のため、大阪
市の繁華街を通行中、販売業者Y1(株式会社東京美粧)の従業員Aら2名から
化粧品の販売の勧誘(キャッチセールス)を受け、その付近に所在のY1の事
務所に赴き、同所でエステティック美容および化粧品の購入を内容とする化
粧品購入契約を代金16万5,000円で締結することにして、Y1と提携関係にあ
るクレジット会社であるY2(株式会社オリエントファイナンス)とショッピン
グクレジット契約(立替払契約)を締結した。
本件立替払契約の申込に際して、未成年者Xは、Y2を代行する販売業者Y
1の従業員Aから年齢を聞かれたため、昭和40年生まれの満18歳であることを
答えたところ、同従業員Aらから申込書に昭和38年と記入するよう指示さ
れ、Xはその指示に従って昭和38年と記入した。
Xは販売業者Y1に対し、化粧品購入契約の代金の一部として契約日に1万
円、翌月に金5,000円の合計15,000円を支払い、また、クレジット会社Y2に
対して、1万4,000円を支払った。Xは、昭和58年9月14日までに引渡しを受け
た化粧品について、いずれも一部を使用したが、その後の支払いをしないま
ま、契約の日から5ヵ月後の昭和59年1月30日、内容証明郵便をもってY1との
間の化粧品購入契約を取消す意思表示を行いし、さらに、昭和59年6月4日、
Y2に対しても、立替払契約の取消の意思表示を行った。
これに対して、Y1およびY2は、Xの取消を認めず、Y2が、立替金の支払
いを請求するため、Xは、Y1に対し、不当利得返還請求権に基づき、Y1が
化粧品購入等の代金としてXから受領した金1万5,000円の支払いを求め、Y2
に対しては、立替払契約に基づく金15万4,000円の債務の存在しないことの確
認及び不当利得返還請求権に基づき、Y2が立替払金としてXから受領した金
1万4,000円の支払いを求める訴えを提起した。
| 77702 | Re:昭和60年12月20日茨木簡裁判決 | 雪兎 | 12/25-13:28 |
記事番号77701へのコメント
判旨
請求一部認容・確定(Y1に対しては引替給付判決、Y2に対しては請求全部
認容)
成年として申込書に記入する行為と民法20条にいう「詐術」
XはY1との間に化粧品購入契約を締結するにあたり、その衝に当るY1の
従業員Aらに対し、自己の真実の年令、生年月日を告げているものであり、
立替払申込書等に真実と異なる生年月日を記載したのは、Aらが指示してX
に記載せしめたものであって、このような状況にあっては、Xは化粧品購入
契約に際し、Y1に対し真実の生年月日を告知したものとみるべく、Xが右経
緯により申込書等に真実と異なる生年月日を記載したとしても、これをもっ
てXが自ら成年者であって能力者であることをY1に信じさせるために詐術を
もちいたことにはあたらない。
クレジット会社に対する「詐術」の判断
Y2とY1とは加盟店契約を結んでいる信販会社と加盟店である販売店であ
って、Y2は立替払契約の申込に関する事務をY1に代行させ、Y1を一種の自
己の機関として契約を締結していたものであり、XはY2との本件立替払契約
締結にあたり、事務を代行するY1の従業員に対し、自己の真実の年令、生年
月日を告知しているのであり、かつ立替払契約書等の真実と異なった年令の
記載は、Y1の従業員Aらの指示に基づくものであって、この場合、Xが積極
的にY2をして自己を能力者として信じせしめる意思のもと、その手段として
申込書等に虚偽の年令を記載したものと認められるときは、その記載は詐術
に当るというべきであるが、X自身としてはAらに真実の年令、生年月日を
告げたものであり、何らY2を誤信させることを欲するものではなかったにも
かかわらず、Y2の立替払契約の事務を代行するY1の従業員Aらにより、右
申込書等に生年月日を昭和38年と記載するよう指示され(Xはクレジット取
引について未経験であって知識が乏しかった)その指示のとおり記載したも
のであると認められるものであって、この場合に単に右記載の一事をもって
Y2に対し、自己を成年者であって能力者であると信じさせるための詐術に当
るというのは相当ではないといわねばならず、右記載によってY2がXを成年
者と誤信することがあるとしても、それは自己が立替払契約の締結事務を代
行させているY1の従業員が右事務代行に当りXに指示して右のとおり生年月
日を記載せしめた結果によるものであって、前記の通りXに対し詐術を用い
た場合にあたるものと主張することはできない。
昭和58年8月26日Y2からXに対し立替払契約に関し電話(いわゆる確認の
電話)があった際、XがY2に対し、Xの生年月日が立替払申込書に記載のと
おり昭和38年に相違ない旨回答した事実についてはこれを認めるに足りる証
拠はない。
代金等の支払と「処分を許された財産」
Xが昭和58年8月頃訴外B株式会社から受け取っていた給料は1ヵ月の手取
金額で7万ないし8万円位であって、その内食費として約3万ないし4万円位を
費消し、その残額から実家への送金分を差引くと残りが約2万ないし3万円位
であったことが認められる。
Xの月収金額と化粧品購入代金額16万5,000円を比照するに、化粧品代金は
月収に比し約2倍に相当する金額であって、かつ食費及び実家への送金分を差
引いた残額が約2万ないし3万円であることを考慮すれば、本件化粧品購入金
額はその処分につき予め親権者から包括的に同意を与えられていたとみるに
は高額に過ぎるものであり、Xの同購入をもって親権者から処分を許された
財産の使用と認めることは難しい。
Y2に対する立替金の支払が1ヵ月1万4,000円であっても、Xが分割払につ
いて期限の利益を失う事態が生じた場合は契約代金全額について直ちに支払
うべき義務が生ずるものであって、1ヵ月1万4,000円の分割払の金額をもって
考慮の対象とすることは相当でない。
未成年者の取消と商品の返還義務
XとY1との間の化粧品購入契約の取消により、XおいてもY1から受取っ
た化粧品を現存する範囲で返還すべき義務があり、右義務はY1のXに対する
金1万5,000円の支払義務と同時履行の関係にあるから、XのY1に対する本訴
請求は、Xが所持する別紙目録(略)記載の化粧品を引渡すのと引換に右支
払金1万5,000円の支払を求める限度において理由がある。
出典:百選
参照:判時1198号143頁
#但し、私は法律は無関係ゆえ、下記サイトからの孫引きです。
http://www.nomolog.nagoya-
u.ac.jp/~kagayama/consumer/miseinen/mi_index.html
| 77703 | キャッチセールスによる未成年者取消 | 雪兎 | 12/25-13:45 |
記事番号77702へのコメント
タイトルに裁判所と日付を逆に入れてしまいました。失礼。
この判例に関しては、国センの「未成年者が契約をしたら」
http://www.kokusen.go.jp/mame/data/mame02_b04.html
で少し触れられており、私もここで未成年者契約(エステのキャッチの
場合、約2割は未成年者契約と言われる)の話題が出る度に引き合いに
出しているものです。
この裁判で争点になったのは、販売業者の指示により信販に嘘の年齢を
伝えた事が「詐術」にあたるかどうか、クレジットの毎月の支払額が、
「処分を許された財産」であるかどうかという点でした。前者に関しては
「詐術」にはあたらない、後者に関しては、クレジット契約の場合は支払い
が遅れれば期限の利益を失って全額の支払い義務を負うため、月々の支払
額ではなく全額で判断すべきであるとして、被告側の主張を退けています。
| 77783 | 大津地方裁判所平成13年12月7日 | 「ものつくり屋」 | 12/26-16:58 |
記事番号77433へのコメント
こんにちは、皆さん。
http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/c1eea0afce437e4949256b51
0052d736/3e1d7bb9ec5a0a6a49256b59002edc9a?OpenDocument
これなんですけど、やっぱり判例形式にしないといけませんかね。私は
判例形式で読むより判決文をそのまま読む方が好きなんですよね。
残念ながら消費者契約の判決ではないんですが、なかなか楽しい「消火器
業者の自爆(自分で持ち込んで負けた)裁判の判決なんでご紹介しますね。
一時期、どこかで聞いたことがある手口なんですが、比較的大きな事業所
に行って、さも契約権限のある人から指示を受けているかのように振る舞
って末端の事務員に「消火器の詰め替えの契約書」にサインさせて、割高
な「詰め替え料金」をふんだくるという手口です。
この判決の場合は相手は病院ですね。でもって病院内をうろうろしたあげ
くに入院係の職員に適当な事を言ってサインをもらって、消火器45本の
詰め替えをおこなって45万円を請求した訳です。
病院は「そんなのは契約にならない」と払わなかったので、この業者が代
金請求の訴訟を起こして自爆した訳ですね。お茶目な業者です。
その契約書のサインの状況を判決文は
「その契約書は上記のとおり綴込み式となっていたため,Dには表題の
「契約書」という文字が見えなかった。そして,その間,Dは,「消火
器の詰め替え・・」「そうですか」「はい」という程度の返事しかせず,
原告がどのような立場の者で,Dがサインをすることがそのような意味
をもつのかということの確認はまったくしていない。」としています。
面白いのは、こういう契約に至るまでの病院の事務員との会話を無断で
録音してそれを「契約の事実があった」という証拠に使おうとしている
のですね。でもって、そういう録音をした理由が最高に「お茶目」でし
て「悪徳業者と間違えられることを懸念した,事実関係をきちんとして
おくためである」だそうです(笑)。
判決は
「原告と被告との間に,本件請負契約が締結されたと認めることはでき
ない。」としました。理由として「被告側のサインした職員に契約締結
権限がない」「原告は職員の契約締結権限を確認できるのにしなかった」
そして録音について「来紛争が発生するであろうということを予想し,
これに備えて会話内容を録音していた」と判断し「原告がそのような方
法で請負契約が成立するという期待をしていたとしても,それが法によ
って保護される正当な期待であるということはとうていできない」とし
ています。
| 77823 | 東京高等裁判所平成14年12月5日 | 「ものつくり屋」 | 12/27-15:41 |
記事番号77433へのコメント
こんにちは、皆さん。
http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/c1eea0afce437e4949256b51
0052d736/2a9d918c92d70b6349256c8b00383b7a?OpenDocument
相変わらず判例形式ではなく判決文ベタです。そして、これもまた消費者
契約の裁判ではありません。
でもね、こいつはマルチ商法批判者の間で割と取りざたされた「判決」だ
ったんです。いわゆるマルチ商法、法律で言うところの「連鎖販売」につ
いては多くの場合、契約者は「自分で事業者と思っているど素人」でして
特定商取引法の範疇でその問題は判断される訳です。ただ、歴史の長い化
粧品系のマルチ商法では、法人としての2次代理店その上に1次代理店、
その上に販社という形の法人組織の連鎖販売というのも有るわけです。そ
して昇格制度があるために、上位の法人が下位の法人に「無理な在庫」を
強要するなどと言うこともあるのですね。
特定商取引法というのは基本的には事業者間取引は範疇に入れていません。
では、どうしようも無いかというとそうではなくて、事業者間取引に関し
ては「独占禁止法」という強い味方がいるわけです。これは、法人連鎖の
連鎖販売に対して「独占禁止法」の適用が言及された判決として貴重なの
で、紹介させてください。
事件の概要は販社に登った原告が被告であるノエビア化粧品にかなり無理
のある販売目標を押しつけられ、不良在庫を抱えたり、不良在庫の「隠し
」を強要されたので、別な会社の販売店への「乗り換え」をしようとした
訳ですね。詳しい人はご存じの様に、この種の契約には、本社の方にかな
り強い「契約解除できる」の条項がついています。でもってその条項に基
づいて販社を止めさせられた訳です。でもって独占禁止法第19条で禁止
されている不公正な取引方法(不当な取引拒絶)として損害賠償を請求し
一審が請求を棄却したので控訴した訳です。
高裁は、単に契約書の条項を見るのではなく、「販売システムの問題点」
から判断を示しています。「基本的に化粧品の連鎖販売取引である」「昇
格に伴って販売利益は急激に上昇していく」「無理に売上げを増やそうと
するものが生じることは見やすい道理である」「むろん,自己責任である。
しかし、冷静な立場で堅実な業務運営を目指すことは実際上困難な面があ
ると考えられる。」「本社は販売網を利用して収益を挙げ,それを会社存
立の基盤としているので、その傘下の販社及び代理店の経営内容の問題点
等を見抜き,それに対する対応策を立てることができる立場にある。」「
販社は追いつめられたような状態になっていた」「本社は販売システムの
抱える問題点があることに目をふさいだ対応しかとらなかった」「よって
解除権の行使は著しく信義則に反する」「請求を棄却した原判決はこれを
取り消し,控訴人の請求を認容することとする」
となった訳です。